エントリーシートの書き方の記事はよくありますが、実際に内定を獲得したエントリーシートを見たことがある人は、少ないと思います。「就活のミカタ」では、エントリーシートの良い部分を解説付きで紹介します。今回は、大手自動車部品メーカーに内定を獲得したエントリーシートの志望動機編です。
■実際のエントリーシート
今までに経験した中で最も悩んだ(落ち込んだ、迷ったなど)ことは何か、また、それにどう対処したかについて教えて下さい。(全角400文字以内)
短期留学挑戦の失敗です。私は、大学一年次に奨学金を取り、アメリカに短期留学に行こうと考えていました。しかし、奨学金を取ることができず、断念してしまいました。その後、失敗した理由を自分なりに考え、教授や実際に留学に行っている先輩などに相談しました。その中で、ただ英語を伸ばしたいという理由の甘さと留学に対する準備不足を痛感しました。そしてアメリカで自分が興味のある金融・経済について学び、発展させたいという考えに至りました。そこで現地の大学で学べ、より長期的に滞在できる交換留学に挑戦しよう考えるようになりました。交換留学へ行くことによって就職活動が遅れてしまうことに不安を感じたりしましたが、親、教授、友達に相談し、様々な意見を聞きながら、最終的に行くことを決断しました。悩んだときはいろいろな人に相談する中で、意見を得られるだけでなく、自分の気持ちを整理でき、切り替えることができると感じました。
解説①
短期留学挑戦の失敗です。私は、大学一年次に奨学金を取り、アメリカに短期留学に行こうと考えていました。
まず質問に対して、適格に断定的に書いている点が良いでしょう。その後、いきさつ・背景について述べている点もわかりやすいです。
解説②
失敗した理由を自分なりに考え、教授や実際に留学に行っている先輩などに相談しました。
失敗したことを、自分でも考えさらに悔しい気持ちを恥ずかしがることなく、教授や先輩に直接相談するなどの、行動力や積極性・前向きさが表れている点がとてもいいでしょう。
解説③
ただ英語を伸ばしたいという理由の甘さと留学に対する準備不足を痛感しました。
考えの甘さを反省し、謙虚に失敗を受け入れることに共感がもてます。
解説④
そしてアメリカで自分が興味のある金融・経済について学び、発展させたい
将来のビジョンを反省から導き出している点がよいでしょう。将来の目標や夢に向かって、目的意識を持ち行動する様子はプラスです。
解説⑤
そこで現地の大学で学べ、より長期的に滞在できる交換留学に挑戦しよう考えるようになりました。
英語を学びたいという単純な考えではなく、とことん突き詰めて自分なりに答えをだし、行動の内容を当初から変更し、さらに挑戦しようとする積極性は魅力的にうつります。
解説⑥
交換留学へ行くことによって就職活動が遅れてしまうことに不安を感じたりしましたが、親、教授、友達に相談し、様々な意見を聞きながら、最終的に行くことを決断しました。
何事も新しいことに挑戦するには不安がつきものですが、それを様々な意見を聞きながら最終的に決断する、チャレンジ精神を持っていることもプラスです。
解説⑦
悩んだときはいろいろな人に相談する中で、意見を得られるだけでなく、自分の気持ちを整理でき、切り替えることができると感じました。
自ら経験したことを吸収し、客観的にとらえられている点が良いでしょう。
解説まとめ
留学経験があると、留学先のことを書く人が多いですが、留学にいくまでの試行錯誤を客観的にとらえているのが素晴らしいです。また一つの文章の中に、行動力・積極性・チャレンジ精神旺盛、謙虚な姿勢、まじめさ、前向きさ、努力家など様々なよいところが垣間見えて、非常に伸びしろがある期待を持てる新人ということがわかります。