エントリーシートの書き方の記事はよくありますが、実際に内定を獲得したエントリーシートを見たことがある人は、少ないと思います。「就活のミカタ」では、エントリーシートの良い部分を解説付きで紹介します。今回は、IT業界に内定を獲得したエントリーシートです。
目次
■実際のエントリーシート
【ゼミ研究課題】
私の研究のテーマは、監視社会についてです。その中でも近年利用者が増加しているtwitterやfacebookといったSNAを利用しての監視に注目しています。戦前の思想統一を目的とした監視とは違い、現在のSNSを使った「ソフトな」監視といった観点で現代の監視社会の問題に迫っています。これからは大学生を対象にアンケートを実施する予定で、いかに監視という調査内容に対して警戒されないよう聞くかが、今後工夫するところです。
【授業以外で力を注いだこと】
私は大学で所属している混声合唱団での活動に最も力を注いできました。学生団体ということで年2回行う主催演奏会の運営も学生が中心となって行いました。3年時は「当日実行」という主に受付を統轄する部署の責任者を務めました。当日のスタッフはOBOGにお願いするのですが、私は当日協力してくださるOBOGと業務のやりとりをするのに最も苦労しました。お手伝いの皆様の配置を考える上で、途中でその人の気持ちを考えずに作業しがちになりましたが、それを考えながら業務を依頼すると気持ちを新たにし、当日は気持ちよく業務にあたっていただくことになりました。
【自己PR】
私はどんな環境でも周りの人に影響を受けずに安定して自分の責任を果たすことができます。幼い頃から父の仕事の影響で住居が何度も変わりましたが、自分はその影響を受けず、淡々と生活していくことが出来ました。また、しっかりしている母や姉の影響で自分でできることは自分で責任をもってやるという姿勢が身につきました。大学で所属していた合唱団で責任者の立場にあった時も、前日に監督してくださっている方から叱責を頂いても次の日からまた立ち直り、責任者の姿を見せることが出来ました。私は、社会人になってもどんな仕事をもらっても最後まで自分で責任を果たすことができます。
解説①【ゼミ研究課題】
現在のSNSを使った「ソフトな」監視といった観点で現代の監視社会の問題に迫っています。
自分独自の観点でゼミ研究を行っている点が良いです。どこに興味関心を持ち、どんな視点で研究に臨んでいるのか、分かりやすく書かれています。
解説②【授業以外で力を注いだこと】
お手伝いの皆様の配置を考える上で、途中でその人の気持ちを考えずに作業しがちになりましたが、それを考えながら業務を依頼すると気持ちを新たにし、当日は気持ちよく業務にあたっていただくことになりました。
苦労した点を素直に伝え、そのからの気持ちの変化が書かれています。苦労したことや失敗したことから何を感じ、どう改善したかを採用担当の人は見ています。
解説③【自己PRその1】
しっかりしている母や姉の影響で自分でできることは自分で責任をもってやるという姿勢が身につきました。
自己PRする部分がどのように形成されていったのかが書かれています。強みは大学生活の中で培われたのではなく、小さい時からの生活環境から築き上げられることが多いです。強みが形成されたきっかけを伝えることでより人間味のあるESになるはずです。
解説④【自己PRその2】
私は、社会人になってもどんな仕事をもらっても最後まで自分で責任を果たすことができます。
ESの最後に、社会人として働くイメージを伝えられています。イメージを伝える時には、これまで頑張ったことのエピソードが根拠になります。
■解説まとめ
ここではIT業界への志望動機には触れていないですが、仕事のスピードが問われるIT業界では一つ一つの仕事への「責任感」が非常に大切になると考えます。今回の内定者はその「責任感」の部分が評価されて内定獲得に至ったのはないでしょうか。